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August 2011

07 August 2011

最初の独立テストチーム

開発者は自分がつくったプログラムのテストに関して、(人間の心理として)どうしても見方が甘くなってしまいがちです。現在は、規模の大きなソフトウェア開発プロジェクトでは開発チームとは別にテストチームを編成してテストを担当させることが一般的になっていますが、いつ頃からこのような形になったのでしょうか。
米国陸軍のJ. Gary Nelsonは1979年発刊の"Software Testing in Computer-Driven Systems"(*1)の中で、1950年代後半のAtlasミサイルプログラムで"独立したソフトウェアテスター"が雇われたと書いています。

In the late 1950s Atlas Missile Program hired "Independent Software Tester" to provide additional unbiased software test support.

そして、この"Independent Software Tester"のコンセプトは、それ以来、20近くの主要な国防やNASAのシステムで採用され、今(1979年)ではValidation and Verification (V&V) contractor と呼ばれ、担当業務範囲が機能やソフトウェアシステムまで拡大していると書いています。この形態は、現在は Independent Verification & Validation (IV&V) と呼ばれています。
   (*1)以下の書籍の中のひとつの章(Chapter 16)として書かれたものです。
          J.D. Cooper, M.J. Fisher(eds), "Software Quality Management," Petrocelli Books, 1979

Atlasミサイルプログラムでは独立したソフトウェアテスターが雇われましたが、それでは最初の独立テストチームはいつどこで作られたのでしょうか。
これは、1958年に米国初の有人宇宙飛行計画であるMercury計画のプロジェクトで、IBM社のGerald Weinbergが開発グループからテストグループを分離したのが最初のようです。CAST 2008(Conference of the Association for Software Testing)のWeinbergの基調講演の紹介記事の中に、つぎの一文があります。

Fifty years ago, in 1958, Jerry established the very first separate software testing group, to aid in producing life-critical software for Project Mercury.

ソフトウェアテストの黎明期のことを調べていて、Gerald Weinbergが"Program testing"を書籍で書いていたり独立テストチームを作ったりと、ものすごく貢献していることを知りました。最近もPerfect Softwareというソフトウェアテストに関する書籍を書いています。Weinbergは他にも多くの業績を残していますが、ソフトウェアテストの世界でも「ソフトウェアテストの父」と呼ぶべき人だと思います。このようなことから昨年(2010年)、Software Test Professionalsの第一回のluminary awardに選ばれたのだと思います。

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