« August 2011 | Main | October 2011 »

September 2011

30 September 2011

テスト技術が書かれた最初の書籍(4)

しばらくBlogを書くのをさぼってましたが再開します。

しつこいですが「テスト技術が書かれた最初の書籍」シリーズの続きです。
テスト技術に関して最初に書かれた書籍は1957年にGE社のMcCrackenが書いた"Digital Computer Programming"であることを以前紹介しました(13章の"Program Checkout")。そして、ずばり"Program Testing"という用語でテスト技術が書かれた最初の書籍は1961年に出版されたIBM社のLeedsとWeinbergの"Computer Programming Fundamentals"であることも紹介しました。

実はその後、1959年にMcCrackenがもう1冊、"Programming Business Computers(D. D. McCracken, H. Weiss, and Tsai-Hwa Lee)"という書籍を出版していたことを知りました。この書籍は日本でも1960年,1961年に
  事務用計算機のプログラミング(上)(下), 高橋茂/石井治/淵一博(訳), 光琳書院
として翻訳出版されています。日本ではこの書籍がテスト技術が書かれた最初のものかもしれません。
私は最初この和訳本の12章「プログラムの検査」のコピーを入手したのですが、この章の名称が英文でProgram Testingになっていると先に紹介した1961年のLeeds & Weinbergの書籍が最初ではなくなるので慌てて原書を探しました。結局、この12章の原タイトルは"Verifying Program Accuracy"だったことが分かり事なき(?)を得ました。参考までにこの12章の構成を書いておきます。

12. プログラムの検査 Verifying Program Accuracy
12.0 はじめに Introduction
12.1 事前のプログラム検査 Detecting Programming Errors Before Running the Program
         別の人によるプログラム検査
         パンチ・カードの利用
         プログラムから逆に<流れ図>を作ること
         テスト・ケースについての卓上計算機での検査
12.2 計算機によるプログラム検査 Using the Computer to Detect Programming Errors
         予備的なプログラムの検討
         操作卓による手動操作
         プログラムの追跡
         記憶内容の取出し
         記憶内容の<変更検査>
         動的解析法
12.3 手順の検査 Procedural Checks
12.4 検査しやすいコーディング Coding for Ease of Checkout
12.5 まとめ Summary

ところで、テスト技術が書かれた最初の書籍"Digital Computer Programming"の著者のDaniel McCracken氏が先々月の7月30日に亡くなったというNew York Timesの記事が出ていました。
氏は数多くのプログラミング関係の書籍を出版しているこの分野の重鎮でした(Daniel D. McCracken - Wikipedia)。また、1982年にMichael A. Jackson(Jackson法で有名)との共同執筆でライフサイクル有害説を主張したことでも知られています。

D. McCracken and M.Jackson, "Life Cycle Concept Considered Harmful," ACM SIGSOFT Software Engineering Notes, Vol.7, No.2, 1982
   (*)この論文の紹介が情報処理学会の「情報処理」誌(1983-09-15)に掲載されています。

New York Timesの死亡記事を見ると、McCracken氏は1930年生まれなので"Digital Computer Programming(1957)"は氏が27歳の時に出版されたものということになります。当時はコンピュータやプログラミングは新しい分野だったということもありますが、若い内から活躍していたすごい方だったのですね。合掌。

|

« August 2011 | Main | October 2011 »